製品安全

Vol.372  1月12日号 「配線器具の事故」

新型コロナウイルスの影響により在宅勤務を行うためなど、自宅に新たに電源が必要となったことで、特にテーブルタップなどの需要が増えています。電源周りが煩雑になってしまっている場合も考えられ、電源コードの損傷事故などは増加するおそれがあります。配線器具や配線状況を点検し、破損などがあれば取り換えなどして、事故を未然に防ぎましょう。今回は配線器具の事故をご紹介します。

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項目一覧

  • 1.配線器具の事故
  • 2.製品事故収集情報(12月20日~1月9日 受付78件)
  • 3.リコール情報(6件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
    ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
    ・「第2回 KEC製品安全フォーラム」のご案内
    ・最新!PL対策セミナー2021年のご案内

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1.配線器具の事故

【事例1】
延長コードから出火し、周辺を焼損する火災が発生した。

→湿気が高く、ほこりが多い環境下で使用していたことから、延長コードの刃受け金具間に異物が付着して絶縁性が低下し、トラッキング現象(※1)が生じて焼損したものと考えられる。

※1【トラッキング現象】:付着したほこりや水分によりトラック(電気の通り道)が生成され、異常発熱する現象

【事例2】
テーブルタップに携帯電話やゲーム機など複数の電気製品を接続していたところ、製品及び周辺を焼損する火災が発生した。

→テーブルタップの電源コードはコンセント付近の壁の隅で過度に折り曲げられた状態であり、ふとんの下に挟み込まれていた。更に使用者は携帯電話の抜き差しなどでコードを強く引っ張っていたため、電源コードが過度な屈曲を受け、芯線が断線、スパークし、出火したものと推定される。

【事例3】
使用中のコードリール付近から出火し、建物を半焼した。

→複数台のふとん乾燥機をコードリールに接続して使用したため、接続可能な最大消費電力を超え、コードが異常発熱して短絡・スパークが生じ、焼損したものと考えられる。

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【事例1の注意事項】
電源プラグはコンセントとの間に隙間が生じないようにしっかりと差し込み、定期的に掃除してほこりを取り除いてください。電源プラグをコンセントとの間に隙間がある状態で長期間差したままにすると、電源プラグに異物が接触したり、ほこりやペットの尿などの液体が付着したりすることで、ショートやトラッキング現象が生じるおそれがあります。アルコール消毒液も浸入すればショートやトラッキング現象を引き起こすおそれがあるので浸入しないよう注意してください。

【事例2の注意事項】
延長コードやテーブルタップ及び電気製品の電源コードを屈曲させる、踏みつける、といった外部から電源コードに無理な力が加わる使い方をすると、電源コードの芯線が断線して、異常発熱や発火の原因となるおそれがあります。机やドアなどに挟み込んだり、コンセントから抜く際に無理に引っ張ったりなどしないよう注意してください。

【事例3の注意事項】
テーブルタップやコードリールには接続可能な最大消費電力が定められています。電気製品を接続する際は、接続可能な最大消費電力を超えないように注意してください。接続可能な最大消費電力又は定格電流(何アンペアまで接続できるか)は、テーブルタップ本体やパッケージに記載されています。

■NITEでは2020年12月24日に配線器具の事故をプレスリリースしています。
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2020fy/prs201224.html

■その他配線器具の事故情報も併せてご参照ください。
  (再現実験映像)
   (1)テーブルタップ・延長コード「6.変形したプラグを使用して発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2020122401.html
   (2)テーブルタップ・延長コード「7.洗浄液の浸入でトラッキング現象」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2020122402.html
 
  (注意喚起ミニポスター)
   (1)変形したプラグの事故
   https://www.nite.go.jp/data/000117450.pdf
   
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「配線器具」「コード」等をキーワードに検索していただけます。
   https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(12月20日~1月9日 受付78件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

  • 1. パソコン                  ( 火災等    9件)
  • 2. 電動アシスト自転車        ( 重傷等    8件)
  • 3. 電気ストーブ              ( 火災等    7件)
  • 4. 自転車                    ( 重傷等    3件)
  • 5. エアコン                  ( 火災等    2件)
  •  

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • ・サンコー株式会社 (法人番号 3010001120157)
       「電気毛布」    12/23(HP)
       【詳細】 https://www.thanko.jp/html/page319.html
  •  
  • ・株式会社ニトリホールディングス (法人番号 5430001012905)
       「珪藻土バスマット」    12/25(HP)
       【詳細】 https://www.nitori-net.jp/ecstatic/image/pdf/flowchart_bathmat_20122515.pdf
  •  
  • ・株式会社カインズ (法人番号 3070001006474)
       「珪藻土バスマット等」    12/15(HP)
       【詳細】 https://www.cainz.co.jp/images/information/pdf/20201222_info.pdf
  •  
  • ・株式会社テラモト (法人番号 2120001024422)
       「つっぱり式ツリー型遊具(ペット用)」    12/07(HP)
       【詳細】 https://www.teramoto.co.jp/catforest/
  •  
  • ・株式会社リンクス (法人番号 5290001053385)
       「木製テーブル」    11/25(HP)
       【詳細】 http://links2130.livedoor.blog/archives/7374879.html
  •  
  • ・株式会社テイーエム (法人番号 5110001016104)
       「ポータブル蓄電池」    11/11(HP)
       【詳細】 https://www.tm-www.com/storagebattery-recall

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4.その他の製品安全情報

・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  消費者庁

消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 12/25   16件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201225_01.pdf
  • 1/8     36件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210108_01.pdf
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・iPod nanoの製品事故に係る定期報告  経済産業省

平成2年12月25日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告がありました。令和2年11月1日から30日までの本体・バッテリー交換件数は74件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は306,031件となっています。
    https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou201228_1.pdf

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「第2回 KEC製品安全フォーラム」のご案内  
- IoT時代における製品安全の更なる実現に向けて -

                一般社団法人KEC関西電子工業振興センター

近年、ネットワーク化、ソフトウェアによる自動化、モバイル化などの技術革新に伴い、製品カテゴリが多種多様になってきています。同時にその安全を確保する取組も様々な視点から対応が求められます。新たな基準・認証制度の国際標準化、新規技術の動向や、リスクアセスメントの重要性を学び、今後の製品安全に対する取り組みを考える基礎となることを期待します。


   【開催日】 2021年 2月5日(金)
   【会 場】Zoom ウェビナーによるオンライン  
   【参加費】無料(事前申し込み制)
   【内 容】
1)基調講演 新たな時代の製品安全と基準・認証制度の国際標準化
一般社団法人セーフティグローバル推進機構 理事       梶屋 俊幸 氏
2) 講演2  製品の遠隔操作と安全       
一般財団法人電気安全環境研究所              理事      住谷 淳吉 氏
               3)  講演3  製品事故とリスクアセスメント       
独立行政法人製品評価技術基盤機構          課長     酒井 健一 氏
  【詳 細】 https://www.kec.jp/seminar/psf20/
 
  問合せ先: 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
        専門委員会推進部  事務局 藤田 泰男
        TEL:0774-29-9041 E-mail:[email protected]

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【最新!PL対策セミナー2021年 1月21日開催】のご案内 
                 主催:一般社団法人PL対策推進協議会 

恒例となりました、当協議会主催のZoom配信による「最新!PL対策セミナー」です。
昨年は、大きなリコール案件が表に出て、企業の屋台骨を脅かす事態にもなりかねない事態になりました。国が進めるSociety5.0「超スマート社会での製品安全」にどう対応していくか。本質的な製品事故をなくすために「製品事故未然防止・再発防止」をどう進めるか。製品安全に
対する国の方針も大きく変わり、その指導が本格化します。対応する準備はお済でしょうか。
当日はPL対策の第一人者、一社)PL研究学会の渡辺吉明氏に解説をお願いしています。

●日時  令和3年1月21日(木) 13:30~16:10 休憩10分
 受講方法 : Zoom配信が基本(会場参加希望者数名まで受け付けます)
 当日開始時刻の30分前に、Zoomミーティングに参加するURLをメールで配信い
 たします。
●資料代  3,000円(税込み) 事前にPDFデータでお届けいたしますので1月19日
 までお振り込みください。
●講師 渡辺吉明氏
 一社)PL研究学会製品リコール研究部会長・製品リコール検討委員会副委員長
●「最新!PL対策2020」~広義の品質保証とPL対策~(事業者向け導入ガイド)の
 事前視聴をお勧めします。動画とPDF資料が用意されています。  
  https://pl-taisaku.org/?page_id=2304
●配布資料 PDFデータにて事前にメール添付で配信いたします。
 「超スマート社会での品質保証とPL対策」~製品事故未然防止と再発防止~ 48ページ
 「PL研究学会学会誌2020 新PL研究5号」からの抜き刷り16ページ
 一般論文「製品リコールと自主回収のプロセスと重要事項」渡辺吉明氏
●内容 製品事故の未然防止と再発防止
  一部 13:30~15:00(90分) 
     社会構造の変化、国の方向転換、製品安全のスマート化、リコールなどの国の取
     り組みなど、さらにリコールプロセスにで「自主回収・リコール」の整理とPDCA、重
     要事項の確認になります。
  二部 15:10~16:10(60分)
     リコール対応について事例紹介、所々で質問や意見をいただきます。特に本体表
     示の高度化と取説の有効利用、取説や証明書のペーパーレス化を進め配信を行う
     ことの重要性なども入れる予定です。
●お申し込み、詳細は以下のページから 次回は2021年2月18日(木)開催の予定です。
   https://pl-taisaku.org/?p=2456

 

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編集後記

大掃除で一番大変なのは窓であると考えております。というのも、窓の水垢取りから始まり、網戸の掃除にカーテンの洗濯、窓に係わる部分には手のかかるものが多いためです。二階の窓を外から掃除するのは大変で、かといって横着して内側から掃除しようとすると転落してしまいかねません。サボってしまいたいものですが、換気が必要とされる昨今の情勢を考えると放置するわけにもいかず、昨年もまた汗水垂らして掃除を完了した次第です。

PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
                                                             
PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
 Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
(メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)

配信停止、パスワード変更等は以下URLよりお願いいたします。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図