製品安全

Vol.14  1月13日号「今年、NITEとして取組むべきもの」

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====================2006.1.13 Vol. 14===================

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  新年、あけましておめでとうございます。
 今年も製品安全についての役立つ情報を提供して参りたいと存じます
 ので引き続きご愛読いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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│PSコラム│
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      │     今年、NITEとして取組むべきもの     │
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◇2005年最後のコラムで「事故を風化させない」は製品安全のキーワード
 であり事業者に広がりつつあることを述べた。2006年、心新たなスター
 トである。NITEの目指すべきものはなんであろうか。今年の抱負などで
 お茶を濁すつもりはない。

◇安全文化という言葉がある。大変響きのある言葉で、好きな言葉だ。この言
 葉を調べてみると、安全性を最優先にし、安全に配慮をした行動を行う組織
 や個人の姿勢が当たり前のように定着している意味であるという。そして、
 安全文化は、安全性と人的要因が不可分の分野(原子力をはじめ、航空、化
 学、医療分野等)では既に形成され実践的な取り組みが行われているという。

◇その分野では、組織であれ個人であれ、安全を最優先にするための環境が醸
 成されており、経営トップが安全を重視する姿勢を内外に明確にするだけで
 なく、安全性向上のための組織体制が構築され、社員一人一人が安全の重要
 性を認識しているという。

◇この内容はどこかで聴かされたことばかりだ。我が国の消費生活用製品の分
 野では、安全に対する確固とした思想がないと言われてきた。今はどうだろ
 うか。現在の事業者などの色々な取り組みをみているとその一歩手前までき
 ていると思えてならない。「事故を風化させない」が事業者に広がりつつあ
 るのも、かつてなかったことだ。今年は、NITEとして先駆的な分野に習
 い、製品安全の安全文化形成に繋がる活動を徹底して行っていかねばと思う。

                              (編集子)

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                目次 
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1.消費生活用製品の事故防止について
    第14回「誤使用事故防止の考え方のポイント」
2.事故情報 
   ・消費生活用製品の事故情報収集状況(12月26日~1月6日受付139件)
   ・雪に関わる事故
   ・昨年2月に発生した事故の傾向
3.編集後記
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        1.消費生活用製品の事故防止について
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       第14回 「誤使用事故防止の考え方のポイント」

 これまで創刊号から連載してきた「誤使用事故防止の考え方のポイント」も
いよいよ終わりに近づいてきた。今回から、2回で組織としての対応(日頃か
らの取組み)について解説する。

 ◇「組織としての対応」
  ・誤使用事故を防止するためには、経営トップが「消費者の生命・身体に対
  する危害の防止は最も基本的かつ重要な課題」であることを強く認識する。
  また、事故・クレーム情報等を軽視し対策を怠ることは、経営責任、企業
  の存亡にすら繋がりかねない重大な経営リスクを有するものであるととら
  える。
 ・その上で、経営トップ・組織の全ての構成員が、組織レベルでの誤使用事
  故防止に向けた日頃からの取組みが不可欠である。以下、組織として日頃
  から取り組むべきポイントを示す。

   a.経営者は組織全体の製品安全に対する姿勢を明確に示すこと(リーダー
   シップ)
    組織全体が消費者の安全を最優先に尊重し、その重要性に応じた取組
   みを日頃から行うためには、経営トップが率先垂範してその経営姿勢を
   理念・哲学として示す。また、これら理念・哲学が、組織の文化・風土
   として定着するよう努める。

    b.事故に関わる情報が組織全体に適切に受け入れられること
    社員一人一人が欠陥等の兆候に係る組織内外からの情報の入手と事実
   関係等の把握に努め、その内容を組織内、消費者、行政機関等組織外に
   適切に伝達・告知し、誠実かつ前向きに対応しうる体制・環境を整備す
   る。事故の再発防止を優先する観点から、犯人探しのように責任を問う
   のではなく、事故の原因分析・改善を優先し、失敗の知識はむしろ貴重
   な財産として組織内外で共有・伝承される環境を整備する。また、情報
   が組織内で隠蔽・放置されないよう、情報の管理や取り扱い、監査など
   の責任の所在を明確化する。

    c.誤使用事故防止に向けた対応が円滑に行われること
    社員教育・研修等を積極的に行うと共に、安全に関わる情報が社員間、
   部門間の的確かつ誤解のないコミュニケーションにより共有される環境
   を整備する。 
                              < S.N >

        ※「消費生活用製品の誤使用事故防止ハンドブック」より
                          (第15回に続く)
    ☆前回までの記事はこちらです→ http://www.jiko.nite.go.jp/psm/ 

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              2.事故情報
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◆◆◇ 消費生活用製品(*)の事故情報収集状況
                (12月26日~1月6日受付139件)◇◆◆

 NITEに通知のあった事故情報の傾向を見るため集計しています。
(件数の多い順に5製品)なお、事故原因については現在調査中です。
                 
     製品名(事故状況と件数)     [前号比(件数±)]
    =====================================================
    1. 電気ストーブ  (火災  16件)   [- 2]
    2. ストーブ    (火災  12件)   [+ 3]
    2. 石油ストーブ  (火災  12件)   [-13]
    4. 四輪自動車   (火災   7件)    [+ 6]
    5. まきストーブ  (火災   6件)   [+ 5]
    5. ふろがま    (火災   6件)   [± 0]
 
    (*)消費生活用製品:一般消費者が生活において使用する製品。

◆◆◇ 雪に関わる事故 ◇◆◆

 今冬は数十年ぶりの豪雪と言われています。12月2日配信号でも除雪機に
よる事故を取り上げましたが、除雪機によると思われる事故は、先月12月中
発生だけで6件通知があり、また、雪下ろし作業中に、はしごや脚立から転落
した事故が7件通知されています(いずれも事故原因等詳細は調査中です)。
一昨年は、12月中に起きて通知のあった除雪機の事故は1件なので、今年の
豪雪の影響が懸念されます。今回は雪に関わる事故(*)を取り上げます。 
 
 (*)平成15年度、16年度にNITEに通知され、調査終了した公表案件。

◇除雪機による事故事例

  除雪機による事故は、使用者が指を切断したり、足を巻き込まれて骨折し
 たりする重傷事故の割合が高い傾向にあります。また、被害者の年齢では、
 50歳代~70歳代に多く見られます。 

  ・除雪中にシュート部分に右手を挟まれ、指を切断した。
  ………………………………………………………………………………………
  →シュート部分に詰まった雪を取り除こうとして、エンジンをかけたまま
  排出口から湯を注いでいるうちに、再び回転したシュート部分に誤って右
  手を挟まれ、指を切断したと推定している。(消費者の不注意)

  ・男児が除雪機のローター部分に左足を巻き込まれ、軽傷を負った。
  ………………………………………………………………………………………
  →除雪機の使用者が、周辺に子どもがいたにもかかわらず確認を怠って除
  雪作業を行い、誤って子どもの左足をローターに巻き込んだものと推定し
  ている。(消費者の不注意)

  ★下記に除雪機の使用における注意事項を掲載しています。ご覧下さい。

    【参考】事故情報特記ニュース
        No.65「除雪機の事故について(注意喚起)」
        http://www.jiko.nite.go.jp/news/news65.html

        「歩行型除雪機の安全な使用のために」 
        社団法人日本農業機械工業会 除雪機安全協議会
        http://www.jfmma.or.jp/

◇はしごよる事故事例
  
  ・屋根の雪下ろし作業をしようとしていたところ、はしごから転落して重
  傷を負った。
  ………………………………………………………………………………………
  →雪で足場が悪くなっていたところにはしごを設置したため、上っている
  途中にはしごが滑り、バランスを崩して転落したものと推定している。
  (消費者の不注意)

◇その他の事故事例

 ○車庫(カーポート)
  ・積雪によりカーポートがつぶれ、下に駐車していた自動車もつぶれて、
  フロントガラスが割れた。
  ………………………………………………………………………………………
  →事故品には積雪20cmを超える前に雪下ろしを行う旨の表示がされて
  いるが、事故以前から全く雪下ろしをしていなかったため、事故当日の気
  象状況(積雪50cm)によって破壊したものと推定している。
  (消費者の誤使用)

 ○ガス用配管(LPガス用)
  ・除雪中にガス臭に気づきガス容器のバルブを閉めたが、ガスメーターの
  継ぎ手が破損し、ガスが漏れていた。
  ………………………………………………………………………………………
  →屋根からの落雪により、ガスメーターの継ぎ手が破損し、ガスが漏れた
  ものと推定している。(事業者の設置不良)

・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・
 
◆◆◇ 昨年2月に発生した事故の傾向 ◇◆◆ 

 平成17年2月発生の事故は、207件中、93件(約45%)が『燃焼器
具』の事故でした。その次に、『家庭用電気製品』81件(約39%)、『乗
物・乗物用品』13件(約6%)でした。品名別では、石油ストーブが31件、
ガスこんろ16件、電気ストーブ15件、四輪自動車12件が多く報告されて
います。

■━━事故情報の検索━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/index3.html

■━━製品の事故情報をお寄せください━━━━━━━━━━━━━━━━■

  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:[email protected] Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:[email protected]

■━━━NITE社告情報のページ━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

 【過去半年間の社告】 http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html
 【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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              3.編集後記
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 新年、おめでとうございます。皆様、お正月はいかがお過ごしでしたでしょ
うか。今年の寒さで、防寒用品が売れているそうです。冬のセールでコートや
手袋などの品数が少なかったように思いました。きっとセール前に売れてしま
っていたのでしょうね。今週末は暖かくなるとの予報ですが、風邪など引かれ
ませんようにお気をつけください。

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TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
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